日本で一番美しい言葉、それは「ありがとう」です。感謝の気持ちを伝えることで全ての人の心が和やかになります。伝えた自分も幸せな気持ちになれる、まさに魔法の言葉です。
本作品は、この「ありがとう」の言葉とともに、これまでに数々の脚本・演出を手がけるモトイキシゲキ氏が、震災後に現地での取材を通じて実際にあった出来事をもとに、今回の上演のために新たに音楽劇として台本を書き下ろした作品です。
あの未曾有の震災から10年が経ちました。今もまだ、被災地の皆さんをはじめ、多くの人々の傷は癒えていません。そして、昨年からさらに多くの人々の心は冷え込んでしまいました。その余波は続きますが、明日に向けて歩かなければなりません。
あの日、あの時、救われた命。あの時に言えなかったお礼の言葉、時間と共に積み重なった気持ちも合わせて、幸せな気持ちになれる「ありがとう」というまさに魔法の言葉を伝え、震災に関わった多くの人たちの気持ちに寄り添い、エールを送るためにも、本作を上演します。
あらすじ
東日本大震災から10年が経った。多くの人々が被災し、人々の人生は、それを境に変わってしまった。年月は流れ、街の様子は少しずつ復興へと向かったものの、人々の心の傷はいえることはなかった。
震災で両親を失い、東京でダンサーになる夢をかなえようと故郷を離れた鈴木大樹は、度重なる辛い出来事にあい、思い悩んだ末に岩手・大槌町にある「風の電話」を訪ね、同郷で「元気食堂」を営む木島晃と出会い故郷に帰ることを決心する。
「元気食堂」でアルバイトをはじめる大樹。週末になると高校時代の同級生たちや常連客が食堂に集まり、歌を歌ったり、話をするなど絆を深めていた。そして、震災によって叶わず幻となった高校の卒業式を10年目にして行う計画を立てるのであったが、その事で思いもよらない真実が見えて来る・・・。
故郷を離れた人、地元に残った人、それぞれの10年間をイキヌクことだけに懸命になり見えていなかった糸が、運命という力で 一つ一つ繋がり始める。